会計事務所のこんな場合

私は日本興業銀行に22年間勤務した後、外資系の投資銀行に移り、〈マネージングーダイレクター〉として国境をまたがる企業買収・合併の最前線に立ち会ってきた。
このため、日本と欧米の経営者たちを数多く知る機会に恵まれたのだが、まずは日本の経営者には、これまで誰も気がつかなかった致命的な「欠陥」があったという話からはじめよう。後ほどここの中で明らかにしていくが、この欠陥のためにバブルが発生し、バブルの後、何年たっても経済は成長することなく、社会は二極化してしまい、若者の間に閉塞感が漂っている。
日本経済が停滞し続けた過去16年の問に、実は、日本とアメリカとの間で恐ろしいほどの差がついてしまったことに誰も気づいていない。1989年から今日にかけて、日経平均株価は3万8900円から1万7000円へと約4割のレベルに落ち込んでしまった。

一方で米国のダウ平均株価は同じ時期、2750ドルから1万1000ドルヘと4倍になっている。つまり日本とアメリカとで10倍の差がついてしまったのだ。
こういったことを論じると、決まって次のような指摘を受ける。「日本のバブルのピークに当たる1989年3月をベースに比較しても、あまり意味がないのではないか」そうだろうか。
われわれは、ともするとマスコミの論調や政府・役人の発表にマインドコントロールされてしまっているのではないか。「バブルの崩壊があったのだから致し方ない」と、あたかも自然災害のように最初から諦めてしまっているのではないか。
どうも、われわれ日本人は「お人よし」すぎる。何ごとも「バブルの崩壊」という一言で片付け、「思考停止」に陥ってしまっている。
ここでは、われわれが知らないうちに陥っている、こうした「一見、常識に思えるワナ」を明らかにし、日本経済の真の病根をあぶり出し、処方箇を述べようと思う。投資銀行がどのようにかかわっているか、あるいは、これから先、どうかかわろうとしているかを示したい。
「常識のワナ」に気づくとき、あなたの会社はもっと成長するようになる。あなたの株式投資はもっと高いリターンを上げ、あなたの生活はもっと豊かになっていくはずだ。


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